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その音を聞いたのは、日本のインド系雑貨屋である。
日本のちりんとした鈴とは違って、
ごおおーんという無骨な音がした。
インドでこのベルを気になりだしたのは、
砂漠地方である。
広大な砂漠に、姿が見えないけれど、
かすかにベルの音が聞こえた。
放牧している牛のつけているものだ。
こうやって飼い主は、ベルの音を聞き分けて、
自分の牛を見つけるという。
当時は、牛飼いは耳がいいのだな
と思っていたが、
ベルは様々な音がある。
低いもの、高いもの。
だから、同じ音は無いのだ。
そんなベルを代々作っている家庭を訪れた。
完璧なベルの音を出すらしい。
興味深々でリクシャに連れて行ってもらう。
「アッサラーム アレイ コム!」
ムスリムの家庭であった。

家に入るとすぐに工房になっていた。
日差しが強い日中でも、
家に入れば涼しい。
しかし、奥に入れば工房に火がたかれ、暑かった。
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▲夏場はものすごい暑さになる。
また、鉄粉が舞っているので、喉が痛い。
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↑牛が何頭もいる時は、ベルは素敵な音楽を作り、牛飼いも歌を歌う。
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▲手作業でひとつひとつ仕上げていく。
はじめの工程。
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彼らは鉄製のベルを作っているのだが、
銅粉を周りにつけ、粘土でやくから、
仕上がりは、銅のようになると教えてくれた。
近くにいたお母さんは、
チャパティをつくる要領で、土と水を混ぜ、
丸くひきのばして、土台のベルにつけて見せてくれた。
足元に大きなダニがいて、
足をかまれてしまったが、
お母さんがそっと、ダニを避けてくれた。
喉に鉄の粉が入り、むせこむ。
結構過酷な工房である。






そのあと火の中へ入れ、十分火が入ったら、
水の中へ入れ、急速に冷やす。
そしたら、周りの粘土を壊すだけだ。
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このおじいさんが、鈴の音を決める最後の仕事をやる。
1つ1つかなり力がいる。
ふちに溝を作り、共鳴するように木の棒」があたる場所を作る。
かなりこだわって作っていたのに驚いた。
妥協することがないから、いい音がでる。
カランカランという気持ちの良い音をきくと、
おじいさんは手を休めて、インドの葉巻ビリーを吸い出した。
「鳴らしてみろ」とベルを渡す。
カランコロンといい音がした。
それはインド雑貨屋で聞いた音とは違う、
繊細で自然な音だった。
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